たまアリの亡霊、初めてのスぺステ
私の名前は大木なかぶ。1限がある日以外はEテレを見てから家を出ている大学生。
今回は、8月に行われた「おかあさんといっしょ スペシャルステージ 2023 みんなで☆キラキラ さいたま公演」の話がしたい。(公演直後に途中まで書いていたのだが、忙しくなって放置しているうちに年末になっていた)
7月に初めて行ったおかいつ現場は卒業したおにいさんおねえさんが出演するものだったが、今回は現役の演者が出演するものだ。「おかあさんといっしょ」がメインだが、「おとうさんといっしょ」のメンバーと「みいつけた!」のオフロスキーも登場する。
プリキュアオールスターズ(昔の全員共演する方ではなくて、直近の数作品のキャラが共演する方)くらいの豪華なクロスオーバーイベントだ。
会場はさいたまスーパーアリーナ。4月に「浦島坂田船 10th Anniversary~Memorial Live~」で訪れ骨を埋めた場所だ。亡霊としてまたこの地に帰ってくることになった。
改めて出演者を紹介しよう。 ※敬称略
花田ゆういちろう……うたのおにいさん。おかいつの稼ぎ頭。
ながたまや……うたのおねえさん。もちもちでおいしそう。
秋元杏月……たいそうのおねえさん。表情管理のプロ。
佐久本和夢……たいそうのおにいさん。私の一個上。
みもも……人形劇「ファンターネ!」に登場するカッパの女の子。
ルチータ……ファンターネ!のライオンの男の子。
やころ……ファンターネ!のひょうたん。
ゆめ……人間のおねえさん。2.5次元俳優らしい。
まさとも……人間のおにいさん。KENZOに似ている気がする。
シュッシュ……出っ歯のキャラクター。
ポッポ……体が水玉模様のキャラクター。
[みいつけた!]
オフロスキー……風呂好き。しずかちゃんと対決させたい。
会場へ
4か月ぶりに降り立ったさいたま新都心駅。やはり親子しかいない。
駅の階段を上がるとエレベーターの前に長蛇のベビーカー列ができていた。改札を出ても視界には大量の親子が。一年で一番さいたま新都心に親子が集まる日なんじゃないか?
親子が大量発生しているということはつまり、今日のさいたま新都心は
子連れの若い男性パラダイス
これを読んでくれているフォロワーは共感してくれると思うのだけれど、私は小さい子どもを連れた若い男性を見ると興奮してしまう病を患っている。
なぜか?
子供がいるセンラさんを想像してしまうからです
世の奥様方、お宅の旦那様を視覚的に消費してしまい大変申し訳ございません。邪な気持ちは一切ございません。邪な感情を抱いているのは推しに対してだけです。
会場前に到着。とりあえず「SAITAMA SUPER ARENA」の写真を撮る。
会場ではグッズを販売していた。風船が欲しかったが、持ったまま電車に乗って帰るのはさすがにはばかられたので我慢した。
かなり時間に余裕があったので会場付近をフラフラしていると「うーたんひろば」を見つけた。うーたんガチ勢のフォロワーが行きたがっていたところだ。抽選に当たるとうーたんと接触することができる。
しばらくウロウロしていたがいたたまれなくなったので退散した。
入場
会場内に入ると、プログラムと入場者特典の「スぺシャルパワーライト」を受け取った。
このライトは対象年齢1歳以上なので子供の手にちょうどいいサイズ感でとても軽い。これなら前列の人を殴ってもTwitter(X)に書かれないと思う。
ちなみに、指定された時以外は「好きな色を振ってね!」と言われたので頑なに黄色を振っていた。センラーなので。
ステージは360°のセンターステージ。上には大きなスクリーンが一つあり、コンサートなどのDVDの宣伝やスポンサーの広告が流れていた。
昨年度でいないいないばあっ!を卒業したうーたんのメモリアルセレクション『うーたん げんきげんき!』の宣伝映像が流れると、会場の子どもたちが口々に「うーたんだ!!」と声を上げた。
うーたん、愛されてるんだなー。ちょっと泣きそうになった。
おじさん、現る
席に座ってまったりしていると、列に1人の男性がやってきて私の隣に座った。
私の父親よりは明らかに歳が上で、50~60代に見える。
50~60代の男性……?
単番……?
思わず二度見してしまった。私が言えることではないのはよく分かっているが、言わせてほしい。
どういう層?
ただの子供向け教育番組が好きなおじさんなのか。いや、もしかしたら孫と来る予定だったのに孫が急遽行けなくなって一人で来たのかもしれない。
てかさ、なんで37000人(300レベル以上は解放していなかったので実際はそこまで入っていないが)キャパの会場でここ2人が隣になっちゃったの?
どう見ても10~20代の女と50~60代の男性が連番状態で、若い母親/父親か夫婦と子供の2~4人組が占める会場の中で明らかに浮いている気がする。
このおじさんの正体を探りながらコンサートを見ることになった。
演者のオタクが結構いる
200レベルから会場全体を見渡していて思ったが、子連れでもおにいさん・おねえさんたちのオタクがかなりいる。名前が書かれたうちわや野球の応援ボードのようなものを持っている人がいるのだ。割となんでもアリらしい。
私もルチータに「狩って♡」うちわを見せて困惑させたいな。
Twitter(X)を見ていてもおにいさん/おねえさんのオタクはかなり見受けられる。特にうたのおにいさんや体操のおにいさんはアイドル的人気がある。
子供と一緒におかいつを見ていてハマったお母さんたちも、子どもがいないのにハマった気狂い人(きぐるいんちゅ)も、そのほとんどはおにいさんおねえさんにメロメロになっているのだ。
私は気狂い人だが特定の推しはいない。おかいつ番組内でよそ様の子どもがパジャマに着替える『パジャマでおじゃま』や一人で歯を磨く『はみがきじょうずかな』のコーナーを「センラさんにもこういう時代があったんだな……」という視点で楽しんでいるような人間なので、おそらくNHK側も想定していない視聴者だと思う。
3次元ではセンラさんしか愛せないよー。
話がそれたが、最近のおかいつは完全におにいさんおねえさんを売りにしている。
6月に発売されたおかいつ誌なんてMyojoかと思ったもんね。
ファンターネ!の扱いが酷いとネットで物議をかもしていた。
いよいよ開演
感想をざっくりまとめると、
・顔が良い
全員もれなく顔が良い。テレビで見る5憶倍良い。
・歌が上手すぎる
3000~4000円でプロの生歌が聴けるのは実質無料じゃない?子どもと一緒に来るお父さんお母さんはともかく、子どもがいない客からはもっとチケ代とっていいと思う。オタクは全然行くから。
特にゆういちろうおにいさんとゆめちゃんのデュエットにはメロメロになってしまった。番組が違う以上普段はなかなか聞くことができないのでとても貴重だ。
・オフロスキーは実在する
ぶっちゃけ生で見て一番感動したのはオフロスキーだった。本当にいるし、本当に呼んでないのに出てくる。
オフロスキーは「みいつけた!」放送開始の2009年から出演していて、今回の出演者の中では教育番組歴が一番長い。番組が放送し始めた頃にはもう私は対象年齢ではなかったのでじっくり見ていた記憶はないが、昔からテレビで見かけていた人を生で見ると感慨深い気持ちになった。
・シュッシュとポッポがおもろい
おとうさんといっしょは数えるほどしか見たことがないので初めてまともに喋っているのを聞いたが、シュッシュとポッポのやり取りが癖になってしまった。こんな5秒で考えたような名前では可哀想に思うくらいよかった。文字だと面白さが伝わらないのは承知の上で文字起こしする。
この2人のコーナーでは、配布されたスペシャルパワーライトを使って遊んだ。
ポッポ「ピンクにしてみて!!」
会場がピンク色の光に包まれる。
ポッポ「サクラ~ふぶ~きの~サライのそらは~♪」
サライを歌うな
シュッシュ「これ何時間テレビ?一週間早いのよ」
シュッシュ「緑にして!!」
ライトを緑色に変え、会場はまるで畑。
ポッポ「ざわわ ざわわ ざわわ~♪」
さとうきび畑の唄を歌うな
シュッシュ「埼玉にもさとうきび畑があった!?」
ポッポ「子供は黄色を付けてね!大人は黄色以外にして!」
ポッポ「せーので大人はライト消して!」
大人たちだけライトを消すと子供たちがもつ黄色だけ光る。
ポッポ「ほーたーるのひーかーり♪」
蛍の光を歌うな、終わるから
シュッシュ「終わっちゃうでしょ!!!ポッポが歌ってるの全部エンディングなのよ!!」
ボケツッコみが完成されている。シュッシュは大阪出身の芸人さんらしいので大阪公演(おかいつの大規模コンサートはいつもたまアリと城ホで行われている)ならもっと面白いMCが聞けそうだが、さすがに教育番組目当てで遠征はできないと思う……うん。
・あったかい
色々言ったけれど、これに尽きる。
子供向け教育番組は(少なくとも子供たちの前では)悪意がなくてなんでも受け止めてくれて愛してくれるあったかい世界だから好きだ。日常の嫌なことも全部忘れて癒される。この笑顔や歌声に救われている人が会場にも沢山いるんだろうなと考えると胸がいっぱいになった。
楽曲もどれも前向きで優しくて大好き。言葉をはっきり発音して丁寧に歌っているので歌詞が一層心に響く。
特にラストの「Say!good-bye~明日をみつめて~」は本当に感動した。少し泣きそうな、でも心底幸せそうに笑っているゆういちろうおにいさんの顔が忘れられない。
4か月前のメモリアルライブの光景も思い出して余計に泣いてしまった。
コンサートって本当に楽しくて、夢みたいな時間で、だからこそ終わりが来るのが寂しくて苦しい。でも別れ際に笑顔で手を振ってくれるのを見るとまた会える日まで生きようって思えるんだよな。
記事の最後に歌詞を載せたので、ライブ終わりを想像しながらぜひ読んでもらいたい。できれば聴いてほしい。
おじさんの正体
コンサートの後半にトロッコが登場し、おかいつの兄姉が乗ったトロッコが私のいるブロックの前に来たので、手を振ろうとした。
振ろうとしたのだが、視界の右横に写ったものに気を取られて思わず振れなかった。
隣の単番おじさんがめちゃくちゃ手を振っている。かなり大きく振っている。
今までリュックを抱えたまま見様見真似で小さく手を動かしているだけだったのに、おかいつの兄姉が目の前に現れると突然動きが大きくなった。
完全にレスを求める動き方をしている。
おじさん、演者のオタクだったの・・・?
その後ファンターネ!やおといつ組、オフロスキーが前を通っても全く反応していなかったのでおかあさんといっしょの兄姉の誰かが目当てなのは間違いないと思う。
色んな人がいるんだな。
おもひでぽろぽろ
もらったプログラムにキャラクターと写真を撮れる機能のQRが付いていた。会場付近で子供と好きなキャラクターを並べて写真を撮ることでその日の思い出が作れるというわけだ。
私は夕方の公演に参戦して、終わった頃には外が暗くて撮ることができなかったのだが、使用期限がちょうど「浦島坂田船SUMMER TOUR 2023 Plusss 東京公演」の日だったので会場の代々木体育館で写真を撮ることにした。
せっかくなのでオフロスキーを載せておく。
では最後に、「Say!good-bye~明日をみつめて~」の歌詞を書いて終わろう。多分本来は平仮名の歌詞だが大きいお友達向けなので漢字で書かせてもらう。
作詞・作曲 速水けんたろう
楽しかったね 思い切り笑ったね
時間の経つのも忘れて はしゃいだりしたね
ずっとこのまま一緒に いたいけれどお別れだよ
さあ 涙を拭いて 明日を見つめて
君に出会ったことが 何よりの宝物
いつもいつまでも 忘れないよ
ありったけの笑顔と ぬくもりだけ残してゆくよ
いつかまた会える日まで Say! good-bye
~完~